男性の尿モレに ポイズ 男性用シリーズ

尿モレについて知ろう

尿モレの原因・対処法

尿モレは、蓄尿・排尿の機能に狂いが生じ、正しくコントロールできなくなった状態。
ここでは男性に多い尿モレタイプを取り上げました。
タイプによって対応が異なるので、自分の症状に近いものをチェックしてみましょう。

  • 尿モレの
    原因
    尿をためるときの障害
    蓄尿障害
  • 尿モレの
    原因
    尿を出すときの障害
    排尿障害
  • 尿モレの
    原因
    尿を出した後の症状
    排尿後症状

切迫性尿失禁(せっぱくせいにょうしっきん)

突然強い尿意に襲われ、トイレに行くまでにがまんできずもらしてしまう症状。トイレのドアに手をかけたときにもれてしまう「ドアノブ尿失禁」や、手を水につけたり、水の流れを聞いたときに急激に尿意を感じる「手洗い尿失禁」などがあります。

■原因

男女を問わず年齢とともに増加し、とくに60代以降の方に多いのが特徴。脳からの制御がうまく働かず、膀胱が意思に反して収縮することから尿がもれてしまいます。 原因はさまざまで、冷え症や水仕事などのほか、膀胱炎、脳梗塞、パーキンソン病、頚椎症などでも見られる症状です。

■対処法

専門医を受診し、膀胱の収縮をやわらげる薬を処方してもらうのが効果的。または、電気刺激や鍼、磁気刺激などを利用した理学療法も有効です。

過活動膀胱(かかつどうぼうこう)

急激に強い尿意に襲われる「尿意切迫感」がある状態で、切迫性尿失禁や1日に10回以上トイレに行く頻尿をともなうことが多いのが特徴。ただし、頻尿であっても尿意切迫感がない場合は過活動膀胱にはなりません。

■原因

脳の指令がないのに膀胱が勝手に収縮することで起こりますが、脳梗塞などを別にして、その原因ははっきりと特定されていません。

■対処法

過活動膀胱の症状は、膀胱がんや結石、間質性膀胱炎などの症状でもあるため、一度、尿検査を受けておくのがおすすめです。血尿や膿尿、膀胱痛がある場合は、速やかに専門医へ。
軽度の場合は、利尿作用のある飲み物、冷たい飲み物は避け、体を冷やさないような工夫を。また、排尿間隔を少しずつ伸ばす膀胱トレーニングで、膀胱容量をアップさせるのも効果的です。排尿日誌をつけながらおこないましょう。

溢流性尿失禁(いつりゅうせいにょうしっきん)

排尿困難によって尿をうまく出せず、膀胱が尿でいっぱいに膨れ上がって溢れてくる症状。つねに少しずつ尿がもれ出ているため、日常生活にも支障を来たす深刻な状態です。

■原因

原因は大きく分けて、前立腺肥大と神経障害の2つ。
とくに55歳過ぎの男性に多いのが、前立腺肥大症や前立腺癌によってもたらされるケース。尿道が前立腺に圧迫されて狭くなり、尿が通過できずに膀胱にたまる症状です。
神経障害では、糖尿病などによって末梢神経に障害が出るケースや、脊髄の障害で起きるケースがあります。膀胱の収縮が弱まって残尿が多くなることで引き起こされます。

■対処法

重篤な症状のため、専門医への受診が必須です。医師と十分に相談して治療にあたりつつ、治癒するまでは尿ケア専用品を用いるなど、日常生活を少しでも快適に送れるように工夫していきましょう。

頻尿(ひんにょう)

一般的に、健常な人の1日の排尿回数は、昼間の活動時間に5~7回、夜間の睡眠時には0~1回が目安とされています。この排尿回数が1日8回以上になると、頻尿にあたります。

■原因

原因はさまざまで、水分の摂りすぎから、膀胱炎、膀胱がんなどさまざまな原因があります。60歳以上では、加齢によって夜間の排尿回数が増える傾向にあります。

■対処法

まずは原因を特定するために、排尿日誌をつけましょう。それをもとに専門医を受診します。

排尿困難(はいにょうこんなん)

尿が出にくかったり、尿が途切れがちになったりする症状。勢いよく尿が出ず、排尿するまでに時間がかかるようになります。

■原因

男性の場合、年齢とともに前立腺が肥大する傾向があります。それによって尿道が圧迫され、一部分がすぼまると、排尿困難へとつながります。とくに55歳過ぎの男性に多く見られる症状です。
また、糖尿病や脊髄障害によって膀胱の収縮が低下することによってももたらされます。

■対処法

  1. 1.尿の勢いが弱い
  2. 2.途中で尿が途切れる
  3. 3.尿のキレが悪い
  4. 4.尿が出始めるまでに時間がかかる

上記のような症状を感じるようになったら、なるべく早めに前立腺の検診を受けましょう。放置すると、尿がまったく出なくなる「尿閉」の状態になったり、つねに少しずつ尿がもれてくる「溢流性(いつりゅうせい)尿失禁」や、腎機能障害など重篤な症状に発展することもあるので、注意が必要です。

排尿後尿滴下(はいにょうごにょうてきか)

おしっこを終えたあと、尿道に残っていた尿が少量もれてくること。男性の尿失禁の多くを占め、病気や疾患がない健康な男性でもおこると言われています。

■原因

男性の尿道は長く、2カ所にわたって曲がっていますが、この曲がった部分に尿が残り、排尿後にたれてくるのが原因。加齢によって尿道がゆるんで広がったり、骨盤底筋群の収縮力が低下することによって起きる現象です。

■対処法

尿が終わったあと、陰嚢の後ろを指でしごいて残った尿を搾り出し、ペニスをよく振っておくと、下着やズボンを濡らすことがなくなります。陰嚢はポケットの上からしごくのでもOK。骨盤底筋を鍛える体操もおすすめです。

残尿感(ざんにょうかん)

正常な状態では、排尿後の膀胱はからっぽになりますが、膀胱に尿が残っている感じがすることを残尿感といいます。

■原因

実際は膀胱がからっぽなのに残尿感がある場合は、前立腺炎や膀胱炎が疑われ、実際にも残尿がある場合は前立腺肥大症が疑われます。20~40代の若い男性の場合は、前立腺炎による残尿感が多いようです。

■対処法

残尿量は簡単な検査でわかるので、気軽に病院で調べてもらいましょう。前立腺炎や膀胱炎の場合は薬を服用すれば、不快な症状はおさまりますよ。

<尿モレ専門医のご紹介>

独立行政法人 地域医療機能推進機構 東京高輪病院 泌尿器科 部長 医学博士 石原順就先生

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